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Backblaze: 無制限のクラウドバックアップのもう一つの選択肢

先日、クラウドストレージでもっとも利用されているDropbox から容量無制限のバックアッププラン[Dropbox Backup]が発表されて話題になっていました。

これはパソコン一台と外付けハードディスク一台のファイルを連続的にバックアップするもので、30日以内のファイルを復元したり、履歴をたどって巻き戻ししたりできる便利な内容になっています。

注意が必要なのは、これは既存のプランとは別のサービスなので、BasicやPlusといった有償プランだとストレージの制限に引っかかるという点です。

Dropbox Backup プランでは、パソコンと外付けハード ドライブ各 1 台をバックアップできる無制限のストレージをご利用いただけます。他のプラン(Dropbox Basic や Plus など)では、バックアップのサイズは各アカウントのストレージ容量に制限されます。(Dropbox Backup プラン:概要

ドキュメントにはこのように書いてあるのですが、プランによって容量無制限になるものと、そうでないものを同じ名前にしているのはわかりにくいと感じました。

そうなると、私が以前から使っている別のクラウドバックアップサービスでも悪くなさそうに感じてきました。この分野では草分け的な存在であるBackblazeです。

外付けハードディスク数も複数個OKの真の容量無制限

Dropbox Bakcupの知らせで多くのひとが反応していたのが「容量無制限」の部分で、最初は無制限でも、時間がたって囲い込みが終わってから制限が加えられるのではないかと不安に思っている人が多いようでした。

その点、Backblazeは試した範囲では本当に制限がなく、けっこう無茶をしても問題なくバックアップをとってくれます。

たとえば私の環境の場合、12TBといった大容量のRAIDが接続されているのですが、時間がかかるとはいえ制限が加えられるようなことはありません。

BackblazeはDropboxと同じように軽量のクライアントをインストールして利用します。macOSとWindowsの両方のクライアントが用意されています。

最初にディスクの容量やファイルの種類を調べます。これでバックアップにどれだけの時間がかかるのかも推定されます。

注意したいのは、Backblazeはファイルバックアップなので、ブート可能なディスクを作成してくれるわけではないという点です。なのでシステムファイルやユーザーが使わないものはデフォルトでは除外されます。除外されるファイルの拡張子はユーザーも指定可能になっています。

バックアップは背後でユーザーが意識しないうちに行われます。通常は「Continuous」(連続的)という設定になっていて、ユーザーの利用状況に応じてバックアップにかかる負荷が調整されるようになっています。

それなりの通信量を使用しますので、日中にパソコンを使用している時間帯はバックアップを停止しておいて、ボタンを押したときにバックアップを開始するといった設定も可能です。

あとはこのようにバックアップが進行していきます。この場合は「Selected for backup」が445万ファイル、11TBを対象にしていて、すでに4TBほどが転送されています。

実際のリカバリーのしかた

上でも書きましたがBlackblazeはファイルバックアップなので、障害が起こる前のディスクに戻すのではなく、失いそうになっているファイルを救出する感覚になります。

このように保存されているファイルを指定して復元しますが、大量のファイルを復元しなければいけないほどこれは大変になります。

私は利用したことがありませんが、8TBのハードディスクでデータを有料で送ってもらい、ディスクをお繰り返してから払い戻してもらうというオプションも利用可能です。

なので、私にとってBlackblazeはなにか障害が起こったときに最初に利用する選択肢ではありません。Balckblaze以外にもSuperduper!やTime Machineなどのより直接的なバックアップをとっていて、それがうまくいかなかったときの保険です。

クラウドバックアップは復元が面倒なかわりに、火災や津波や大震災といったケースでもデータが残ることを想定しているのです。

Blackblazeで注意したい点

Backblazeに限りませんが、クラウドバックアップで注意したいのは初回のバックアップは通信速度次第でとても時間がかかるところです。

たとえば私のネット環境だと11TBのデータをすべて転送するまでに2-3週間ほどかかります。そのあとは差分だけが送信されるので楽ですが、とにかく最初が大変です。

また、バックアップするディスクは常に接続してあることが前提です。ときどき接続するディスクをバックアップして外して管理という使い方は想定されていません。一定期間ディスクが外されていると「バックアップがとれません」といった警告が出るようになります。

あと、上のスクリーンショットを細かく読んでみるとわかるように、日本語のローカリゼーションはもう何年もひどい状態のままで、近い将来に直りそうにはありません。これでも英語圏ではもっとも信頼されているサービスなので機能的には安心できますが、何かあったときには英語で連絡する必要があるかもしれません。

こうした点を考慮しても、月$7ドル程度の価格は本当の災害から大切なデータを守るには安いと感じられます。Dropbox Backupの制限を超えるクラウドバックアップの選択肢がないかと検討中のかたはぜひつかってみてください。

Source: ライフハック

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